「IT教育ってどういうものなの?」
あなたは今、このようにお考えではありませんか?
日本でもIT教育が徐々に進んでいるなか、「IT教育とは実際どんなことをするんだろう」と疑問に思う人は多いでしょう。
IT教育は、今後他国にIT分野で遅れをとらないためにも積極的に取り入れるべきだと考えられています。
しかし、多くのメリットを抱えると同時になかなかIT教育の導入が進んでいない問題も存在します。
そこでこの記事では、IT教育について詳しく解説します。
- IT教育って実際どうなの?
- IT教育のメリットやデメリットを知りたい
- IT教育について日本はどんなことをしているの?
このような疑問のある方はぜひ参考にして下さい。
IT教育とは
IT教育という言葉には、以下の2つの意味があります。
- ITを学ぶ教育
- ITを活用して効率的に学ぶ教育
本記事ではITを活用して効率的に学ぶ教育についてご紹介するため、もしITを学ぶ教育について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
ITとは、インターネットなどの通信とコンピュータとを駆使する情報技術のことであり、IT教育とは、IT技術を教育に導入し、教育のIT化をすることです。
世界中でIT技術は日々発達しており、作業の効率化や生産性の向上を目的としてあらゆる分野で取り入れられています。
そこで学校教育でもIT技術を取り入れ、学習の効率化を進めることが必要と考えられているのです。
学校で行われているIT教育の現状
主要先進国に比べて日本のIT人材が少ない上にIT産業に偏り過ぎており、ITを活用する側のユーザー企業や行政機関などに所属するIT人材が不足しています。
(参照元:IT人材がユーザー側で大幅不足、政府白書が指摘した日本「デジタル敗戦」の主因)
そのため、学校でもIT人材を育成しようと2020年からは小学校でもプログラミング教育が始まっています。
また、日本は教室の授業でデジタル機器を使う時間や、学校の勉強のためにインターネットを活用する頻度が、OECD(経済協力開発機構)加盟国の平均値を大きく下回っていることがわかっています。
(参照元:生徒の学習到達度調査2018年調査)
そして現状では学校で使用するIT機器設備の不足や、ITに関して指導をできる教師の不足が問題となっています。
IT教育の具体的な政策
文部科学省のデータによると、IT教育のために政府が行っている政策としては、以下のようなことがあります。
・教育用コンピューターの導入
・教室へ無線LAN導入
・学内のインターネット接続環境の整備
・教室の大型提示装置導入
・教員の校務用コンピューター導入
・統合型校務支援システム導入
・指導者用デジタル教科書導入
・学習者用デジタル教科書導入
以上のような政策が行われていますが、現状として普及率はあまり増加しておらず、目標を達成できていません。
参照元:文部科学省 令和元年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)
また、日本の教育・人材分野でのITシステムの利用率は17.4%と最も低く、最も高いシンガポールと比べるとその差は40.1%にもなります。
参照元:文部科学省 ICT 関連動向の国際比較及び国内外の ICT 利活用先進事例調査 報告書
日本のIT教育が他国と比べて進んでいない理由としては、予算の確保と教員のITへの理解の低さが考えられます。
まず予算の確保に関しては、教育用コンピュータや無線LANの整備などに単年度で1,805億円が投じられています。
参照元:教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018〜2022年度)
しかし、使用の用途は各自治体に委ねられており、建物の老朽化や新しい物資の調達などに予算が使われてしまうところも少なくありません。
そのため、その他のことを優先して予算を消化した結果、IT教育に割くための予算が足りなくなってしまうのです。
次に教員のIT知識への理解の低さですが、教員という仕事を行いながらITに関する知識を深めることは難しいです。
知識を深められなかった結果、必要性を感じられないことによりコンピューターを導入しても活用されにくいケースがあるでしょう。
参照元:学校における教育の情報化の 実態等に関する調査結果
IT教育に関する日本と海外の事例
ここでは、IT教育に関する日本と海外の取り組みの違いについて、事例を交えながらご紹介します。
日本の取り組み
日本のIT教育への取り組みとして第一に行われているのは、教育系アプリの開発やタブレット端末の配布、電子黒板の導入です。
また、教員のサポートをするシステムの導入も進められています。
日本では教員の過重労働が問題視されており、提出物の作成や受取といった簡単な管理業務を効率化するシステムの導入によって、負担を軽減する目的で導入が進められています。
負担の軽減により子どもの教育やコミュニケーションに専念できるような体制を作るのが最終的な目的でしょう。
海外の取り組み
海外では日本よりも積極的にIT教育を取り入れています。
下記で日本よりも進んだIT教育を実践している国の取り組みをそれぞれご紹介します。
・アメリカ
アメリカでは官民が共同して積極的にIT教育を取り入れています。
また、JavaやVisualなどの基本的なプログラミングの学習や、オンライン授業も積極的に導入されています。
世界的IT企業の協賛によって設立された「Code.org」というサイトでは、無料でIT教育を受けることも可能です。
ただし、州の方針によって差はあるため、アメリカの全てが同じIT教育を受けているというわけではありません。
・シンガポール共和国
シンガポールは2013年に学校のインターネット環境の整備を100%達成しています。
また、教育省による「ICT Connection」というWebサイトでは、教員が、教育省が常に更新している新しいeラーニングコンテンツを入手できます。
さらにすべての学校にICT担当職員と技術者が配置されており、ICTの使用方法をいつでも相談できます。
・デンマーク王国
デンマークは教員へのデジタル教育が進んでおり、
デジタル学習ツール評価などを含む、教員の職能開発のための短期コースが提供されています。
また、「1:1モバイル学習施策」として、後期中等教育(日本では高等学校にあたる)では全生徒がパソコンを持参しています。
IT教育の2つのメリット・効果
ここでは、IT教育を行う上でのメリットや、行うことにより起こる効果を2つご紹介します。
- 教員の業務の効率化ができる
- 子どものITリテラシーを高められる
教員の業務の効率化ができる
IT教育を進めることにより、PCやタブレットを使用するため、板書時間やプリントを用意する時間などを削減することが可能です。
また、インターネットを利用しての作業となるため、情報の活用が楽にでき、さらに情報を早く仕入れることができるため時間短縮を図ることもできます。
そして、授業で使用するものが書面ではなくデータとなるため、資料の共有を教員間でやりとりする場合もスムーズに行えるという利点があります。
子どものITリテラシーを高められる
IT環境が学校で整い、積極的にITに触れることにより、子どものITリテラシーは高まります。
それにより、コンピューターを有効活用できたり、正確な情報を素早く得ることができるようになります。
子どものITリテラシーが高まると具体的にはで以下のようなメリットがあります。
- 情報リテラシーが高まる
- デジタルの考え方について理解することができる
- プログラミング的思考を学ぶことができる
- インターネットの危険性について理解できるようになる
情報リテラシーが高まる
情報リテラシーとは「情報化社会でコンピューターなど情報関連技術を習得し,積極的に情報を活用することのできる能力」(広辞苑)のことで、無数にある情報を精査する際に必要になります。
情報リテラシーが高まることで、フェイクニュースなどに騙されづらくなることや、住所などの個人情報の流出を防ぐことが期待できます。
デジタルの考え方について理解することができる
動画が流れる仕組みなどの画素数に関する考え方など、デジタルについてを理解することで、パソコンが魔法の箱ではなくなっていきます。
デジタルの仕組みを理解することで、新しい技術が導入された際にも比較的主体的に理解できるようになるでしょう。
プログラミング的思考を学ぶことができる
ITリテラシーを高める過程でプログラミング的思考について学ぶことができます。
プログラミング的思考については別記事にて詳しく紹介していますので、リンクよりご覧ください。
インターネットの危険性について理解できるようになる
ITリテラシーを高める過程で、無線やデータベースについて学びます。
その過程で公衆無線LANの危険性や、無線LANのデメリットについて知り、サイバー犯罪に巻き込まれる恐れがある行動を予防できるようになるでしょう。
IT教育の2つのデメリット・課題
ここでは、文部科学省が公開している資料よりIT教育を行う上でのデメリットや、行うことにより起こる課題を2つご紹介します。
教員の教育に時間がかかる
IT教育を子どもに行うためには、まずは教員がプログラミングやITの基礎を理解していなければいけません。
しかし、元々IT業界に詳しくない教員がITの基礎を学ぶためには、時間が必要です。
そのため、教員の教育が進まないことによってIT教育の導入が進まなかったり、優先度が低下してしまったりする学校も少なくないでしょう。
機材の導入のコストが高い
IT教育の機材導入には、高いコストがかかります。
IT教育で学習を進めていく場合、情報機器にかかる運用コストだけでなく、教員によるサポートやセキュリティを高める必要が出てくるため、教育コストもかかります。
また、機材の故障やメンテナンスなどの場合に追加で費用が発生してしまうこともあるため、コストがボトルネックとなってしまう場合があります。
IT教育 まとめ
IT教育を進めることで、教員の業務の効率化を図ることができます。
そうすることにより、本来最も必要な教員と児童・生徒のコミュニケーションも十分に取れるようになるでしょう。
また、IT教育の導入は今後必要になるITの知識を身につけると同時に、児童・生徒が楽しく授業を受けられ、意欲的に授業に参加することができるでしょう。
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