「STEM教育って何?」
あなたは今、このようにお考えではありませんか?
STEM教育は、IT化やグローバル化などの急激な社会の変化にも順応できる人材を育てることが目的の教育法です。
「STEM教育を受けることで子どもの将来に役立つ」と認知されており、世界的にも注目を集めています。
本記事は、STEM教育の概要や必要な理由、メリットについて解説します。
保護者がSTEM教育について正しく理解しておくことで、今後の学習の変化にもスムーズに対応できるでしょう。
STEM教育とは?|今後の未来に貢献できる人材を育てる
STEM教育とは、IT化やグローバル化などに順応し、国際競争力を持った人材を生み出すことを目的とした21世紀型の教育です。
「STEM」は、以下の4つの頭文字をとった造語になります。
- Science(科学)
- Technology(技術)
- Engineering(工学)
- Mathematics(数学)
上記の4つの領域を学び、論理的思考力を培い、今後の未来に貢献できる人材を育てることが目的です。
文部科学省は、STEM教育の導入に向けて「小学校のプログラミング教育の必修化」や「スーパーサイエンスハイスクール」の支援などに取り組んでいます。
STEM教育が必要な理由|IT人材を育成するために必要
STEM教育が必要な理由に、IT人材が不足していることがあげられます。
画像引用:経済産業省「IT人材需給に関する調査」
政府は、2030年に79万人ものIT人材が不足すると予想しています。
小学生のうちからITに触れる機会が多ければ、日本の課題であるIT人材の不足を解決できるかもしれません。
とくに、STEM教育の一環として行われる「プログラミング学習」を通して、IT化社会に適応する人材を育成できるでしょう。
このようにIT人材の不足を深刻化させないために、STEM教育の必要性が高くなっています。
STEM教育を受けるメリット|子どもの「生きる力」を育む
子どもがSTEM教育を受けることで、日本が抱える課題の改善につながります。
また、STEM教育の一環として行われる「プログラミング学習」を受けることで、次の能力を身に付けられることがメリットです。
- 思考力が身に付く
- 問題解決能力が身に付く
- 創造力が豊かになる
このようにSTEM教育の根幹には、「総合的な人間力」を高めるといった目標があるようです。
画像引用:文部科学省「新しい学習指導要領の考え方」
文部科学省は、「総合的な人間力」を次のように定義しています。
③ 総合的な人間力
豊かな人間性や社会性,常識と教養,礼儀作法をはじめ対人関係能力,コミュニケーション能力などの人格的資質 |
さらに総合的な人間力が高い人は、AI化やグローバル化が進んでも順応できる人材になると考えられています。
STEM教育における日本の現状
日本では、STEM教育の導入にあたり、以下の3つに取り組んでいます。
- 2020年 小学生のプログラミング教育必修化
- 文部科学省によるスーパーサイエンスハイスクールの支援
- 国際科学技術コンテストや科学の甲子園の実施
またSTEMを広めるための「日本STEM教育学会」「STEM教育協会」「STEM教育研究センター」といった学会や協会も設立されています。
今後、日本ではSTEM教育が益々、浸透していくことが予測できるでしょう。
世界でのSTEM教育の取り組み
多くの国がSTEM教育に対し積極的に取り組みを進めていますが、ここではアメリカやイギリス、シンガポールがどのようにSTEM教育に取り組んでいるのか、文部科学省の資料をもとに解説します。
(参照元:文部科学省「諸外国の政府におけるSTEM人材戦略の取組」)
- アメリカ
- イギリス
- シンガポール
アメリカ
アメリカは、STEM教育の先駆けとなった国です。
アメリカ合衆国のオバマ前大統領が2009年にSTEM教育に力をいれると発表したことで広がりました。
STEMリテラシーの強力な基盤を構築します。
多様性、公平性、STEMへの参加を増やします。 将来に備えてSTEMの労働力を準備します。 |
アメリカは、未来のSTEM人材育成に注力しており、「今後10年間でSTEM分野の大学卒業生を100万人増加させる」ために年間約30億ドルもの予算を投じています。
イギリス
2004年に公表した『科学とイノベーションに関する投資フレームワーク』にて、以下の内容を指摘しました。
・学校、大学の科学教員と学習者の質
・中等教育終了試験(GCSE)における科学学習の結果 ・16歳以降及び大学でのSTEM分野を専攻する学生数 ・研究職に就く学生の割合等の改善 引用:文部科学省「諸外国の政府におけるSTEM人材戦略の取組」 |
上記のとおり、STEM分野に長けている人材を増やすことを目的として、STEM教育に投資を実施しています。
シンガポール
シンガポールは、2019年に行われたTIMSS2019の調査によると「算数(数学)・理科」の分野で1位を獲得するなど高い学力を持ち続けている国です。
シンガポールでは、「アクティブ・ラーニング・プログラム(PAL)」と呼ばれるプログラムを導入しており、低学年の段階からSTEAM教育を受けられる環境が整っています。
ICTを用いた学習環境も充実しているため、コロナ禍においても小学生から高校生まで休業が1日もなかったと言われています。
「STEM教育」を取り入れる方法|家庭でも創造性を育てることができる
世界的に注目されている「STEM教育」をお子さまの学習に取り入れる方法を知りたい保護者もいるのではないでしょうか。
実際に、『AIとSTEM(ステム)教育に関する意識調査』によると、「STEM教育」を重要視する母親の約7割が習い事や家庭学習などで対策を開始していることが分かりました。
具体的な取り組みとして次の2つが挙げられます。
- 教材を利用して「創造力」を育む
- プログラミング教室に通い「プログラミング的思考力」を育む
幼児や小学生の場合は、おもちゃや絵本などの教材を利用してSTEAM教育を行うことがおすすめです。
教材を上手く活用すると、遊びの延長からSTEM教育の実践につながります。
「どのような教材が良いの?」とお考えの方には、当メディアを運営するソニー・グローバルエデュケーションのKOOVパートナープログラミング教室をご紹介します。
KOOVパートナープログラミング教室は、「KOOV」という教材を使用してロボット制作・プログラミング学習を行う教室です。
「KOOV」はカラフルで触りたくなるブロックが特徴的で、楽しみながらロボットを制作できます。
直感的に使えるプログラミング言語を用いて、小さなお子さまでも簡単にロボットを動かせます。
プログラミングを使って新しい視点で世界を見れることで、幼児期のうちから「身の回りへの好奇心を持つ」「得意なこと・好きなことが増える」という体験ができるでしょう。
月謝は約1万円ですが、キットはレンタル可能ですので教材費は必要ありません。
(※一部レンタル有料・購入必須の教室がございます)
さらに、全国47都道府県で1000以上の教室数を展開しているため、どなたでもお近くの教室が見つかります!
無料体験を行っていますので、ぜひ気軽にお申込みください!
(※有料の教室もございますので、体験申込時に各教室のページをご確認ください。)
STEM教育の問題点|文部科学省が指摘していること
文部科学省の「STEAM教育等の教科等横断的な学習の推進について」では、カリキュラムとマネジメントの充実性について問題視されています。
STEM教育が取り入れられることにより、先生は「総合的な学習」と「各教科」のスケジュールを今まで以上に意識する必要があるでしょう。
限られた時間の中で質の高い教育を行う必要があるので、先生への負担が懸念されています。
子どもや保護者だけでなく、先生もSTEM教育の取り組みに慣れていないため、家庭で学習をサポートできる体制を整えておくことが大切です。
STEM教育との違い|芸術(Art)をプラスして表現力が育つ
ここまででSTEM教育について深く知ることができました。
「STEM教育」によく似た言葉である「STEAM教育」も注目されているので、あわせて押さえておくと良いでしょう。
「STEAM教育」とは、「STEM教育」に「芸術(Art)」をプラスした造語です。
「STEAM教育」は、以下の5つを総合的に学び、思考力や創造力、表現力を育む学習法のことです。
- 「科学(Science)」
- 「技術(Technology)」
- 「工学(Engineering)」
- 「芸術(Art)」
- 「数学(Mathematics)」
理数教育に「創造性教育」を追加したものを「STEAM教育」と呼んでおり、文部科学省も推奨しています。
○AIやIoTなどの急速な技術の進展により社会が激しく変化し、多様な課題が生じている今日、文系・理系といった枠にとらわれず、各教科等の学びを基盤としつつ、様々な情報を活用しながらそれを統合し、課題の発見・解決や社会的な価値の創造に結び付けていく資質・能力の育成が求められています。
○文部科学省では、STEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)に加え、芸術、文化、生活、経済、法律、政治、倫理等を含めた広い範囲でAを定義し、各教科等での学習を実社会での問題発見・解決に生かしていくための教科等横断的な学習を推進しています。 |
STEAM教育について詳しくまとめているのでこちらもご覧ください。
『STEAM教育とは?文部科学省の資料を用いて実践例まで解説!』
STEM教育 まとめ
AIやIoTなどの急速な技術の進展により、今後も社会が著しく変化することが予測できます。
多様な課題が生じるため文系や理系といった枠にとらわれず、各教科の基礎基本をしっかりと身につけて、それらを活用する必要があります。
STEM教育を受けると、お子さまが今後の人生を生き抜く力を身につけることができます。
お子さまが新たな学習をスムーズに受け入れられるように、少しずつSTEM教育を家庭でも取り入れてみてはいかがでしょうか。