幼稚園でプログラミング!

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プログラミングのワークショップをしていると、「何歳くらいから始めるのがいいですか?」という質問をよく頂きます。お子さまの興味関心は様々ですので一概には言えませんが、”テクノロジーと共生する”というのが現代の生き方の基本スタンスと考えると、プログラミングという技術を覚える必要はなくても、テクノロジーに親しむことは、早ければ早い方がいいように思います。

そこで今回は、栃木県下野市にある認定こども園愛泉幼稚園(以下愛泉幼稚園)で実施したKOOV(クーブ)を使ったプログラミングワークショップの様子をお伝えして、幼児期のプログラミング教育について考えてみたいと思います。

5歳でもできるプログラミングワークショップ

2020年の小学校でのプログラミング必修化の前後から「うちの子にもプログラミングやらせてみようかしら」と考える保護者の方が増えています。もしかしたらこれを読んでいるあなたもその一人かもしれません。そしてここ最近は、その関心がより低年齢のお子さまの保護者様に広がってきています。

そのニーズを受けて、全国の様々な幼児教室でもプログラミングコースがどんどん開講してきています。また、当社にも幼稚園や保育園といった事業者様からのご相談も増えてきており、関心の高さが伺えます。

2022年の夏休みに入って間もないある天気のいい日に、愛泉幼稚園の年長さんを対象にしたプログラミング親子ワークショップを実施してきました。数あるコンテンツの中から今回選んだテーマは、『CREATE by KOOV』の中にある「うずまきレコーダー」です。

うずまきレコーダーは、モーターを使って回転する台の上に紙を載せると、ぐるぐるとうずまきを描けるシンプルなマシーンで自由に遊ぶコンテンツです。

ワークショップの最初は、子どもたちとの距離を縮める会話から始まりました。「どんな朝ごはん食べてきた?」「今日何やるか知ってる人?」といった感じでどんどん質問をしていくとみんな元気に答えてくれます。

そして会場の雰囲気も温まってきた頃、いよいよプログラミングの開始です。今回は予め作成済みの「うずまきレコーダー」にプログラムを転送して動かすところから始めました。

タブレット上に書かれたプログラムをみんなで読み上げ確認した後、KOOVに転送します。すると一斉に「わーっ!」「おー動いた!」といった歓声があがりました。もうその時点で子どもたちのテンションはいきなり最高潮に。瞳をキラキラさせながら、各自ペンを持って、自由にうずまきを描き出します。

最初は回転する台と一緒にペンを動かしたりして、意外と上手く描けなくて四苦八苦。しかし、5分もすると徐々にコツを掴んできて、綺麗なうずまきが出来上がってきます。するとただうずまきを描くだけでは物足りなくなって、工夫をするようになってきます。ペンを同時に何本も持って描いてみたり、お母さんと同時に描いてみたり、お花を描こうとしたり。

既にこの時点で、自分なりにやりたいこと(課題)を設定して、それを実現しようと試行錯誤する様子が見られます。与えられたものは遊びの元となる単に回転するマシーンのみ。それを使ってどうやって遊ぶかはそれぞれの子ども次第です。ただ「自由に遊んでいいよ。」と言われただけで、決められたルールもゴールもない、自ら遊びを発明していく取り組みとなりました。

タイミングを見て「中央のテーブルには色々なアイテムがあるから自由に使ってもいいよ」と伝えると、もっと色々なペンを使って絵を描こうとする子もいれば、自分で工作した「何だかよくわからないモノ」をマシーンに載せてゲラゲラ笑っている子がいたり、紙コップと折り紙とペンでウサギを作ってクルクル回す子がいたり。

ほとんど全員がプログラミングは始めてでしたが、この頃になると大人も子どもも、回転する台を一緒に見つめて「次はこうしてみよう」とか「何だか〇〇に見えてきた」と言って、みんな夢中になって取り組んでいました。

こうして、最初にマシーンが動き出したところから最高潮のテンションをキープしたまま、あっという間に時間が過ぎて終了の時間に。「えーもう終わり?」とか「これ持って帰っていい?」と言って、みんなまだまだやり続けたいという様子でした。

幼稚園でのプログラミングワークショップを振り返って

今回の親子ワークショップについて、愛泉幼稚園の小倉園長と、ご参加頂いた矢内先生と齋藤先生にお話しを伺いました。

ソニー・グローバルエデュケーション(以下SGED):「ワークショップはいかがでしたか?」

小倉園長:「とても良かった!子どもも大人も、とにかくみんな楽しんでいた!子どもたちも私も次回を楽しみにしています。」

SGED:「今回の取り組みは、どういった学びに繋がると感じましたか?」

小倉園長:「一番は集中力です。当たり前のことですが、子どもは楽しいと思うことには集中できるけど、楽しめないことには集中できないものです。今回の取り組みでは、最初は楽しいかどうかもわからないことを、自分なりに楽しもうとする姿が見られました。それは全ての学びの基礎となる力でとても大切な姿勢です。プログラミングがそのような学びの効果があることに気付きました。」

SGED:「ワークショップにご参加頂いたお二人の先生は何を感じましたか?」

矢内先生:「普段の工作遊びの中にちょっとテクノロジーの要素が加わったという印象です。今まではプログラミングについて難しく考えていたけど、これなら当園でも実施していけそうと思いました。」

齋藤先生:「今日の取り組みの本質は、他者やモノを大切にする、よく観察する、よく考える、といったことだと思います。少しアプローチ方法が違うだけで、普段の保育の中で意識していることと同じだと感じました。保育の中でテクノロジーと親しくなる取り組みのイメージが持てました。」

お二方とも口を揃えて「これなら、小学生の我が子にもやらせたい!」と仰って頂いたのが印象的です。

小倉園長

幼児×プログラミングのキーワードは「遊び」

最初にタイトルを読んで、もし「プログラミングを幼児ができるのか?」といった疑問を持たれた方は、プログラミングをアカデミックなものとして考え過ぎているのではないかと思います。

お子さまが小さいうちは、プログラミングをしっかり学ばせようとしなくても、プログラミング遊びみたいな形で、テクノロジーと仲良くなるだけでもいいかもしれません。その経験は近い将来必ず役に立つはずです。「プログラミング?やったことあるよ。楽しかったよ!」と言えるようになっておくことが重要で、それは5歳くらいでも十分可能です。

今回実施したCREATE by KOOVは、「遊ぶ」という子どもにとって日常の活動の中で、無理なくプログラミングに触れられるようになっています。プログラミングを”特別な何か”ではなく、文房具やその他の道具と同じ”手段の1つ”と捉えてもらえるように、明確なコンセプトを持って開発されました。

例えばワークショップの中で、「回転が早くて載せたものが落っこちちゃう」というシーンが何度も見られました。ある子は工作物が安定するように重りをつけて重心を調整したり、また他の子は「もっとゆっくりにできないの?」と聞いてきてプログラムを調整したり。そうやってその子なりの試行錯誤の中で課題を解決したり、ルールを変更したりする手段として、他のアナログな選択肢と並列してプログラミングというデジタルな選択肢があり、子どもによって自由に選択されている光景は、CREATE by KOOVのコンセプトをよく表しています。

プログラミング教育への関心が高まるにつれ、プログラミングそのものを”目的”としている取り組みが増えてきたように思います。しかしそれは、既にプログラミングが好きになっているお子さまにはウケても、これから学ぶ幼児期の子どもたちの興味関心を引き出すことは難しいでしょう。

プログラミング教育の入り口では、「楽しい」と思ってもらうことが何より大切です。その為に先ずは子どもたち自身の「やりたいこと」を引き出し、そこに寄りそう形で、プログラミングに触れさせてあげられればいいなと思います。

今の子どもは3歳くらいで既にYoutubeを見て、手慣れた手つきで広告をスキップしているなんて当たり前の光景です。5歳でも決して早すぎることはないと思います。

 

プログラミング教育に迷ったら

もし「子どもに体験させてみたいけど、通っている幼稚園や小学校ではあまり機会がない」とか「自宅で取り組むにも子どものやる気を上手く引き出すことは難しい」と感じている方がいましたら、KOOVパートナー教室がお近くにないか探してみてください。

モチベーションを高め、チャレンジを促す適切な声掛けができる教育のプロの先生方が、きっとみなさんのお子さまに特別な体験を提供してくれるはずです。

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幼稚園プロフィール
学校法人 愛泉学園 <認定こども園>愛泉幼稚園
〒329-0414 栃木県下野市小金井4-12-8
http://aisen.ed.jp/

画像提供:愛泉幼稚園様

ソニー・グローバルエデュケーションの プログラミング教育

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